そり揺がすほどの喜悦とが潜んでいる。 最後に私は今や蕭殺たる君と僕との友情を昔の熱と誠と愛との尊きに回(めぐら)さんとの切実なる願望をもって、君の利己主義に対して再考を乞わねばならない。 君と僕との接触に対する意識が比較的不明瞭であって、友情の甘さのなかに無批評的に没頭し得た間はわれらはいかに深大なる価値をこの接触の上に払い、互いに熱涙を注いで喜んだであろう。しかし一度利己、利他という意識が萌したときわれらは少なからず動揺した。惨澹たる思索の果て、ついに唯我論に帰着し、利己主義に到達したる君はまっ蒼な顔をして「君を捨てる!」と宣告した。その声は慄えていた。鋭利なる懐疑の刃をすべての者に揮うた君は、轟(とどろ)く胸を抑えて、氷なす鉾尖(ほこさき)を、われらの友情にザクリと突き立てた。その大